おいしい業務用麺の導入や、開発を検討中のプロの皆様、従来流通していないような高付加価値な家庭用麺類の仕入れを検討しているバイヤーの皆様へ製麺会社をご紹介。麺の品質や安全性、そして調理するときの利便性を考えると、冷凍麺を導入するのがおすすめです。
冷凍麺は、急速冷凍するのが基本です。茹でたての麺の特徴であるコシやモチモチ感、つるつるとしたのど越しを失わせないために、茹でたての麺を一気に凍結することで、麺本来のおいしさが閉じ込められています。
冷凍食品が保存されるマイナス18℃以下は、微生物が活動することができない温度。多くの冷凍麺には、保存料や添加物が使われていません。余計な添加物などの影響を受けることなく、小麦粉本来の素材の味を引き出せます。
冷凍麺は茹でた麺を急速冷凍してつくられるため、乾麺や生麺と比較すると、茹で時間が短く、調理時間が短縮できるメリットがあります。特に弁当・惣菜工場やセントラルキッチン等で大量調理をする場合には便利です。
業務用麺を検討する際、NB品を導入するにしても、オリジナル麺を開発するにしても、麺の種類が多い製麺会社を選ぶことが、消費者に飽きない麺料理の開発や、多様なメニュー提案の近道となります。
業務用冷凍麺を販売・開発している15社のうち、冷凍麺の種類が豊富な会社と、開発の可否とロット数の記載が公式サイトに記載のある会社をそれぞれ選定
(2021年3月23日時点)
冷凍麺の種類が豊富なおすすめの製麺会社、武蔵野フーズ、シマダヤ、なか川について、各社の麺づくりの特徴や会社の特徴のほか、展開している商品例などをまとめています。
麺の種類 | 21種類 |
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最小ロット数 | 2万食~ |
業務用麵の製造会社として、オリジナル商品から共同開発まで柔軟な対応が可能です。製麺では急速凍結製法を採用し、麺の外側と内側の水分量を保ち、組織の破壊を予防。解凍した後も、打ちたての麺が持つコシやモチモチ感をそのままに、保存料などの余計な添加物は一切使わずとも長期保存ができ、素材本来の味が楽しめる麺が特徴です。
「おいしく安全、リーズナブルな食の提供」をモットーとし、業務用麵の製造のほか、低温長時間醗酵による製パン事業や、生活習慣病や高齢者に対応した宅配食サービス「健康宅配」事業等 も行っています。また、そばアレルギーへの対応として、福岡麺工場ではそば粉を取り扱わず、製品をうどん、ラーメン、パスタに特化。そば製品を製造している東京麺工場でも、うどん製品とラインを分離し、アレルゲンの管理を徹底しています。
麺の種類 | 17種類 |
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最小ロット数 | - |
昔からお馴染みの製麺会社で、ロングセラー商品の茹でずに水でほぐして食べられる「流水麺」などが有名です。業務用冷凍麵の販売を開始したのは2000年から、独自の凍結方式でうどんやそば、ラーメン、パスタなど多種多様な製品を展開しています。
シマダヤは、業務用だけでなく一般家庭用の商品も多く、スーパーでもお馴染みの製麺会社です。1931年に、名古屋で米穀業「島田屋商店」として創業し、製麺業を始めたのは1949年から。麺はもちろん、うどんやそば用のつゆなども販売しています。
麺の種類 | 5種類 |
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最小ロット数 | 600食~ |
なか川では冷凍麺のほか、半生麺、生麺、茹で麺、蒸し麺とさまざまなタイプの製造が可能です。定番の製品もあれば、牡蠣やモロヘイヤ、黒米、ウコン、山の芋などを使った地域特産麺も。麺に合うスープ製造も行っており、麺だしやごまだれつけ麺タレ、冷やし中華タレ、れもん塩ラーメンスープなどがあります。
明治23年にツナ醤油醸造店として創業し、昭和23年から麺づくりをスタート。麺づくり60年以上のノウハウと実績を持ちます。2001年には晴海工場を稼働させ、生麺や半生麺、茹で麺、冷凍麺など、多数の商品の取り扱いが可能に。醤油醸造店だったことから、スープづくりにも長けているのが特徴です。
「公式サイト上で確認できませんでした。」
冷凍麺をはじめとした、業務用麺を製造・販売する15社の麺づくりのこだわりや、製造している麺について詳しく調べてみました。
昭和29年創業の静岡県御殿場にある製麺会社で、地元の静岡県東部エリアをメインに日本全国に業務用麺類を販売しています。富士山の湧水を使ったこだわりの製法による麺は、常に均一な規格で高品質。具材やスープがセットになった製品も提供しています。
厳選した国内産の小麦粉と天然塩、地下100メートルからくみ上げた硬度27の軟水の天然地下水 でつくる業務用冷凍麺。添加物は一切使用されていません。冷凍麺は鹿野第一工場・第二工場、生麺は本社でもある島田工場で業務用アイスクリームと共に製造されています。
定番アイテムから、具材付きや宇治抹茶を練り込んだ茶そば、かんたん流水解凍麺など、バラエティに富んだラインナップの冷凍麺。湯煎だけでなく、流水や電子レンジで解凍できる便利な製品もあるので、オペレーションに合わせた選択ができます。
大阪を拠点に、業務用だけでなく一般家庭用商品やギフト商品も製造している製麺会社。手打ちうどん製法による麺を急速冷凍し、食べるときはたっぷりの熱湯で1分以内の解凍が可能です。冷凍していたとは思えない、茹で上がりの麺が持つモチモチつるつる感をそのまま楽しめます。
1931年創業、一般家庭でもお馴染みの製麺会社。茹でずに流水で戻せる「流水麺」はロングセラー商品です。業務用麺では、定番商品の他、機能性表示食品や調理冷凍麺、手延べ製法による冷凍うどん、そば粉100%で作った十割そばなど、ワンランク上の製品も充実しています。
こだわりのそば粉と小麦粉、伏流水による良質な水を使った製麺で、素材の香りとコシが楽しめる製品を提供しています。業務用の製麺だけでなく、老舗のそば店とのコラボ商品や、1食ずつ小分けされた生麺のうどん、化学調味料不使用のセット麺など、一般販売製品も充実しています。
うどん・そば・中華麺・パスタの業務用冷凍麺をはじめ、パックごはんやお好み焼、パンなどの一般家庭向けの食品も製造・販売しています。急速凍結された冷凍麺は、各工程で厳しい検査を受けて出荷。外食・惣菜・給食とさまざまな業種で活用されています。
醤油醸造元から始まり、製麺つくり60年の経験と実績で、今ではOEM製品の製造も任されているほどに。各種麺を、冷凍麺や半生麺、生麺、茹で麺、蒸し麺と豊富なラインナップで提供するほか、うどんやそば、ラーメンなどに合うスープも製造しています。
1900年創業、小麦粉の製造・販売会社で、スーパーでも見かける、有名パスタブランドを業務用でも展開。イタリアンのシェフからの信頼も高いこだわりの乾麺・冷凍タイプに、バラ凍結や早ゆでタイプ、電子レンジで調理可能、お惣菜売り場用など種類も豊富です。
2021年1月に、日本製粉株式会社からニップンに社名変更。「オーマイ」「REGALO(レガーロ)」など、業務用だけでなく一般販売用でも有名です。製粉会社であることから、パスタ用粉やうどん用粉、中華用粉、そばつなぎ粉と、種類も豊富に取り扱っています。
武蔵野フーズでは、うどんやそば、ラーメン、パスタなど各麺種のオリジナル商品から、お客様との共同開発による商品提案まで幅広く対応しています。熟練スタッフによる徹底した品質管理で、茹でたてのコシのある、モチモチ食感の冷凍麺を提供しています。
東京世田谷にあるコンピューター制御された自社工場で、うどんや蕎麦、中華麺などの業務用製麺を製造・販売。麺づくりは50年以上の実績があり、産地や粉の特性を把握した材料の選定に、熟練の職人技術、技術開発システムによる高品質な麺を提供しています。
和・洋・中華に対応する業務用製麺会社。顧客の要望によるオリジナルの製麺や、餃子なども提供するほか、古式麺やサイミン、グリーンカレーなど、ちょっと変わった品も。また、イベントに無料で、焼きそば焼台の貸し出しサービスも行っています。
昭和23年に創業し、業務用製麺を提供してきた老舗の製麵所で、うどんやそば、ラーメン、パスタなど幅広いラインナップ。また、オリジナルの製麺開発や、新規顧客を対象にしたサンプルの無料提供、小ロットでの製造対応など、きめ細やかなサービスが特徴です。
昔ながらの職人技を大事にした、本格的な冷凍茹で麺。うどんやそば、ラーメン、スパゲティなどの定番商品の数も多く、オリジナル商品の開発も可能です。また、大手有名メーカーの委託店として、アイスクリームの開発・製造も行っています。
日本で初めて翡翠麺を開発したことで知られている橋爪製麺。安定して高品質な麺をお客様に提供するために、製麺機械や工場設備への投資を惜しまず、チャレンジ精神を忘れることなく日々麺の開発・向上に努めています。磨き上げられた製麺技術が実現する豊富なバリエーションで、企業や店舗が求めるさまざまな要望に応えてきたという確かな実績があります。
穂波産業は、神戸市に本社と自社工場を設けている製麺会社です。冷凍麺に限らず生麺など幅広い種類の麺類を取り扱っています。商品のラインナップが充実していて、さらにオリジナル麺の開発にも対応しています。商品のなかで一番人気が高いのは「焼きそば」なんだとか。コシのある麺は火を通しても噛み応えがあり、ソースとの相性が抜群です。
業務用うどんとして流通している、冷凍麺、乾麺、茹で麺、そして、讃岐うどん、稲庭うどん、五島うどんの6種類を紹介します。
業務用冷凍うどんは、ボイル調理や電子レンジ調理に適しています。茹でても煮崩れしないかどうかが、上質な冷凍うどんを見分けるポイントです。各メーカーで、個性的な冷凍うどんがラインナップされています。
乾麺タイプのうどんは、切った麺を10時間から12時間ほど乾燥させて作られているため、他のタイプより調理の際ゆで時間が長めです。ただ、1、2年程度は保存可能なので、長期保存可能な製品を探している方におすすめです。
生の麺をあらかじめ下茹でし、冷蔵で流通させる業務用茹でうどん。すばやく料理を提供する必要のある、立ち食いそば屋や産業給食で定番の製品です。調理時間を大幅に短縮できますが、賞味期限が短くなります。
うどんと言えば、まず讃岐うどんの名前が出てくる人も少なくないでしょう。それだけに、さまざまなメーカーが業務用讃岐うどんを冷凍タイプ、冷蔵タイプ幅広く扱っているため、品質の良い讃岐うどんを取り扱うメーカー探しが大切です。
稲庭うどんは、讃岐うどん、五島うどんなどに代表される日本三大うどんのひとつで、秋田県南部で生まれたうどんです。手延製法で作られる干しうどんで、うどんよりもそうめんに近い見た目が特徴だと言えます。 一般的には乾麺で流通していますが、複数の製麺メーカーが利便性の高い冷凍タイプ、冷蔵タイプの商品を製造しています。
五島うどんは、長崎県五島列島で生産されており、日本三大うどんのひとつとして数えられるうどんで、熟成の過程で椿油を用いるのが大きな特徴です。細麺ですがしっかりしたコシを持ち、喉越しがすっきりしています。稲庭うどん同様、一般的には乾麺で流通していますが、業務用に適した冷凍タイプ、贈答用には生麺タイプなども販売されています。
水沢うどんは、群馬県渋川市伊香保の「水澤寺」周辺を発祥として昔から愛されてきた名物うどんです。太くてコシ・弾力があり、食べ応えがあります。冷たいざるうどんで食べるのが一般的な食べ方です。乾麺から半生までさまざまなタイプで販売・製造されています。
氷見うどんは富山県で生まれたうどんで、水沢うどんと讃岐うどんにならぶおいしいうどんとして知られています。包丁で切るのではなく、手延べで細く伸ばしてつくるのが特徴で、コシがあって食べごたえのあるうどんです。こちらでは、業務用の氷見うどんを選ぶうえでおさえておきたいポイントについて詳しく解説しています。
伊勢うどんは、三重県の伊勢地方で古くから愛されてきたご当地うどんです。太くてコシがないのが特徴で、柔らかい麺をタレにつけて食べるため、いわゆる「汁」はありません。甘辛いタレが絡んでのど越しの良い味わいです。伊勢うどんを販売している会社はそれほど多くありませんが、冷凍や冷蔵などさまざまなタイプがあります。
ひもかわうどんは、群馬の郷土料理である煮込みうどんに使用されていた麺で、つるりとしたのどごしと、驚くような麺の幅が特徴のうどんです。麺の幅はいろいろあるので、提供したいうどんに合わせて選ぶことができます。すでにカットされているひもかわうどんもあれば、自分で好きな長さと幅にカットできるひもかわうどんもあるので、こちらも用途に応じて選びましょう。
熊谷うどんは、埼玉県の熊谷エリアの名物とされているうどんです。熊谷の町おこしを目的に開発されたうどんで、熊谷の小麦を使用して作られています。熊谷小麦はとても香りが高いため、うどんも小麦の風味がしっかりしているほか、適度な粘りがあるためうどん打ちに適しています。冷たいうどんをはじめ、さまざまな調理法でおいしく食べられるうどんです。
吉田うどんは、富士吉田市の郷土料理として知られているうどんです。繊維業が盛んだった富士吉田市で、忙しい女性たちが昼食の準備で手や機械を止める必要がないように、と男性が昼食としてうどんをふるまい始めたことが広まったきっかけです。非常にコシがある強い麺が特徴で、食べ応えがあります。
噛むたびにうどんの小麦らしさや染みた出汁の優しい味わいが感じられます。
梅うどんは、和歌山県産の南高梅の梅肉を練り込んだピンク色でさわやかな香りのうどんです。なめらかな食感としっかりしたコシがある麺と、梅肉の入ったつゆがすがすがしい香りで食欲をそそります。麺に強い酸味はなく、ほんのり梅の香りが漂うやさしい口当たりが特徴。梅うどんには疲労回復効果があるとされ、夏は特に人気があります。
業務用そばは、冷凍麺、乾麺、生麺、茹で麺の4種類。麺の種類ごとに、メリットや適した使い道を紹介しています。
業務用冷凍そばは長期保存が利くほか、調理の手間も少ないため、すばやくそばを提供しなくてはいけない場面に向いています。また、冷蔵流通の生麺や茹で麺と異なり保存料等の添加物が不要なため、素材本来の味を生かすことができます。
乾麺の業務用そばには、さまざまな種類があり、麺の色やコシの強さが異なります。また、茹で伸びしやすい製品だと、茹でたときにそば本来の食感が失われてしまうため、業務用そばを選ぶ際は、茹で伸びしにくい製品を選びましょう。
「生そば」の本来の意味は、つなぎを加えずにそば粉だけで打ったそば「生粉打ち」のことで、「きそば」と読みます。冷蔵で流通・保存するため、長期保存に適した冷凍麺や乾麺に対して、長期保存には向きませんが、新鮮な味わいを楽しめるのがメリットです。
茹で麺は、あらかじめ下茹でした蕎麦を冷蔵で流通・保存するので、調理が簡単で、すぐに提供する必要がある場合に便利です。冷凍麺や乾麺と比べると、消費期限は短く、時間とともにコシがなくなっていくので、長期保存には向かないと言えます。
業務用ラーメンとして流通している、ラーメン(冷凍)、ラーメン(乾麺)、ラーメン(生)、つけ麺、ちゃんぽん麺の5種類を紹介します。
電子レンジやお湯で手軽に本格的な味が楽しめる冷凍ラーメンは、時間をかけずに調理が可能。ランチタイムなどお店が忙しいタイミングでも、提供までの時間を短縮できます。また、麺の種類はもちろん、すでに調理済みの調理麺など、バラエティ豊かです。
四角い形に成型された製品のほか、そうめんのような細長いタイプがあります。また、麺のみの製品と、スープが付属された調理麺タイプがあり、ニーズに応じて導入していくと良いでしょう。また、日本製のもの以外にも、韓国の製品も流通されています。
生麺は冷蔵での流通・保存となるので、冷凍麺や乾麺に比べると長期保存には向きませんが、打ち立ての麺の味わいやコシを楽しみたい場合に適しています。ご当地ラーメンの特徴を再現した麺やスープセットもあるため、用途に合った製品を見つけましょう。
業務用つけ麺は、乾麺や生麺、冷凍麺のラインナップがあります。また、麺の太さや使用する小麦粉など、形状もさまざま。さらには、麺だけの製品はもちろん、スープも一緒になっている製品もあるため、多くの製品から比較検討できます。
つけ麺と同様に、ちゃんぽん麺にも冷凍麺、生麺、茹で麺などのタイプがあり、さまざまなメーカーで製造されています。スープとよく絡み、コシのある製品を選ぶほか、なるべく茹で伸びしない製品を選ぶことが大切です。
業務用パスタには、冷凍麺・乾麺・生麺とあります。さらにパスタの種類によってもさまざま。メニューと使い勝手なども考えて、適した業者を選ぶようにしましょう。
冷凍技術や包装技術の発達から、いつでも茹でたてのパスタのおいしさを味わえるようになりました。長さや形状の違いに加え、乾麺を茹で冷凍したタイプ、生麺を茹で冷凍したタイプもあります。共通してボイルや電子レンジによる短時間調理が可能です。お店で提供したいメニューに適したものを選びましょう。
長期間保存できることからも、カフェやレストランなどでも扱いやすい乾麺のパスタは、業務用として大容量パックで販売されています。冷凍麺や生麺に比べゆで時間は長い傾向ですが、種類や太さによっても異なるので取り扱うメニュー、使い勝手に合わせた選択が必要となります。
製麺後乾燥やボイル工程を経ず包装した生パスタは、素材の風味が生かしやすく、プリプリの弾力とモチモチ感が売りです。但し、一般的に冷蔵や常温で流通・保存しているため、保存料等食品添加物を使用した製品も多い傾向にあります。